アカバナアメリカトチノキ(別名:アカバナトチノキ) (ムクロジ科トチノキ属)
①分布等:公園樹、庭木などとして植栽。アメリカ南部原産の落葉小高木~高木。幹は直立し、高さ 6~15mになる。樹皮は灰褐色。
②分類:広葉樹(直立性)-3出・掌状複葉(図5)。
③葉は大型の掌状複葉で対生。葉柄は10~13cm。小葉は5~7個。中央の小葉がやや大きく、小葉身は 長さ 10~25cmの倒卵形~長楕円形。小葉柄1~1.5cm。先端は次第に狭まって鋭く尖り、基部は次第に細くなる狭い楔形。葉縁は不整な鈍いきょ歯がある。側脈は15~20対で、ほぼ平行に伸びて葉縁に達する
④葉の表面は濃緑色で無毛、裏面は緑色で葉脈上と葉腋に毛がある。葉柄若い枝は赤味を帯びることが多い。
⑤花期は5~6月。新枝の枝先に長さ10~20cmのやや大型の円錐花序を直立にだし、鮮紅色の筒状花を多数つける。花序の上部に雄花がつき、下のほうに少し両性花がつく。花弁は開かず、トチノキの花とは趣が異なる。果実は堅果。直径3~5cmの倒卵状球形で10月ごろ褐色に熟す。
⑥名前の由来:アメリカ原産のトチノキの意。
⑦類似種には、次の3種がある。
トチノキ」:北海道(札幌市以南)から九州 の山地に自生する日本固有種。葉は単きょ歯で、花は白色。
セイヨウトチノキ>:ヨーロッパ原産のトチノキで、パリのシャンゼリーゼ通りの並木で知られる<マロニエ>は本種である。花は少し赤みがさした白色。葉は重きょ歯で、実に棘がある。
ベニバナトチノキ>:本種とセイヨウトチノキの交配種で、紅色~朱紅色の花をつける。葉は粗い重きょ歯で、葉裏の脈上に毛があり、脈腋に毛の塊がある。
本種は、旧分類では「トチノキ科」とされていた。
小葉表 小葉裏
小葉表拡大 小葉表拡大2
小葉裏拡大
花序 若い実
近影 トチノキの花序(蜜標紋が黄色の時期)
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