①分布等：庭木になどとして稀に植栽。北米原産の落葉高木＜アメリカハナズオウ＞の園芸品種の１つ。幹は直立し、枝を水平方向に横に拡げる独特の樹形をなし、高さ7～12ｍになる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面に毛か鱗片がある-落葉性（図21）。 ③葉は互生し、葉身は 長さ5～10ｃｍ、幅 4～10ｃｍの広卵形～円形。葉柄は長く３～6ｃｍ。先端は短 く突き出して鈍く尖り、基部は深い心臓形。基部から5～7本の掌状脈が出る。葉縁は全縁で、縁はやや裏側に反る。 ④葉質はやや薄い。両面とも新葉は赤紫色で光沢があり、その後、光沢は消えて徐々に緑色になる。裏面はは掌状脈の基部に毛がある。葉柄は光沢のある赤紫色で、両端がやや膨らむ。若い枝は赤褐色で光沢があり、無毛で節毎にジグザグ状に曲がる。2年枝は暗緑色で小さい皮目が多い。 ⑤花期は4月。葉の展開前に、前年枝や古い枝に直接束生する珍しい「幹生花」。花は紅紫色で、長さ約１ｃｍの蝶形花。萼は筒形で先端は浅く5裂する。雄しべは10個。枝や幹を埋め詰め尽くすようにびっしリとつく。果実は豆果。長さ5～7cmの扁平な楕円形で、10月に褐色に熟す。 ⑥類似種：基本種の＜アメリカハナズオウ＞は葉が濃緑色で、花はハナズオウより小形で淡紅色である。園芸品種としては、本種の他に、新葉が黄金色で徐々に明るい緑色になる＜ハートオブゴールド＞などがある。 ⑦名前由来：アメリカ産のハナズオウである。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	展開したての新葉
枝	花
花２（幹生花）	近影
全影	幹
園芸品種 ハートオブゴールドの葉