ビバーナム・ティヌス(ガマズミ科ガマズミ属)
①分布等:各地で庭木などとして植栽。地中海沿岸原産の常緑低木。幹は株立ちし、高さ2~5mになる。多くの園芸品種がある。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-常緑性(図14)。
③葉は対生し、葉身は 長さ 5~10cm、幅 2~6cmの卵形~卵状楕円形。葉柄は0.7~3cm。側脈は5~7対。先端は次第に細くなって尖り、基部は広い楔形~円形。縁は全縁
④葉はやや硬い革質。表面は濃緑色でやや光沢があり、無毛。裏面は灰緑色で、全面に微細な短毛が散生するか、無毛。葉腋には淡灰褐色の毛のかたまりがあり、ややザラザラした触感がある。若い枝は明るい赤紫色で、円形の皮目があり、無毛または星状毛がある。
⑤花期は3~4月。短枝の先に、長さ約8cmの散房花序をだし、白色~淡ピンクの5弁花を上向きに多数つける。咢片は赤紫色で長さ約0.1cmの三角形。雄しべは5個で花冠より長く突き出る。果実は核果。長さ0.6~0.7cmの広卵形で、10~11月にメタリックブルーに熟す。
⑥類似種:同属の<トキワガマズミ>は、常緑のガマズミという点で似ているが、学名は本種が「Viburnum tinus L.」であるに対し、「Viburnum japonicum (Thunb.) Spreng. var. boninsimense Makino」であり、全く別の樹種である。トキワガマズミは、小笠原諸島のみに産するわが国の固有種で、葉はふつう横幅が長さより広く、葉の裏面主脈や葉柄、花序の軸に単長毛があり、花期も11~翼2月と本種と異なる。しかし、本種の別名や流通名としてトキワガマズミが使われることが多く、紛らわしい。
⑦名前の由来:学名の「Viburnum tinus L.」をそのまま使った。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大
花序
近影
全影  
 
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