①分布等:庭木などとして植栽。オーストラリア原産の常緑低木~小高木。幹は株立ちし、分岐し、高さ2~6mになる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は不明瞭-常緑性(図22)。 ③葉は螺旋状に互生する。葉身は 長さ3~10cm、幅 0.4~0.6cmの線状狭披針形。葉柄は0.1~0.2cm。側脈はほとんど見えず。先端は鋭く尖り、基部は葉柄に流れる。縁は全縁であるが、若い葉では、葉縁に軟毛がある。主脈は表面で凹み裏面に隆起する。 ④葉質は堅い革質で、両面とも緑色ではじめ軟毛があるが、のち無毛。葉の先端は紅褐色。葉柄は赤味を帯び、はじめ軟毛が密生するが、のち無毛。若い枝は、淡黄褐色ではじめ軟毛が密生するが、のち無毛。2年枝は紫褐色で、古く枝は灰黒色になる。葉全体に油点が多数あり、もむと特有の芳香がある。 ⑤花期は4~5月。新枝の先から長さ10数cmの穂状花序をだし、濃紅色の花を多数つける。濃紅色に見えるのは、長く伸びた雄しべの花糸で1つの花に50本以上あり、花序全体がブラシのようにみえ、葯は黄色。花弁は緑色で小さく目立たない。花序の先に枝が伸びるという珍しいい特徴がある。果実は蒴果。ほぼ球形で枝に巻き付くように灰色に熟し、一見、虫の卵のようにみえる。 ⑥類似種:雄しべの花糸が白色~クリーム色のものがあり、<シロバナブラシノキ>という。同属の<マキバブラシノキ>は、「槙葉ブラシノキ」の意で、本種とよく似ているが、名前のように葉が「イヌマキ」の葉に似て、本種より細長く、やや鎌形になること、葯の色が本種は黄色であるに対し暗紅色である点で区別する。 ⑦名前の由来:ブラシのようにみえる花序から。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉表拡大2 | |
葉裏拡大 | 枝 | |
花序 | 近影 | |
全影 | ||