デコポン(ミカン科ミカン属)
①分布等:果樹として主として熊本県で栽培。常緑低木。長崎県にある元農林水産省果樹試験場において、1972年にウンシュウミカン(清見)とポンカン(中野3号)の交配種として誕生した。本来の品種名は生産を始めた熊本県不知火町にちなんで「不知火(しらぬひ」)」と呼ばれているが、このシラヌイ系のうち、糖度13度以上のものを「デコポン」の名称で商品化したとされている。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-
             きょ歯は葉身の全体にある-常緑性(図30)

③葉は互生し、葉身は 長さ 5~10cm、幅 4~6cm の卵状楕円形。葉柄は1~2.5cm。葉先は鈍く尖りるが、わずかに凹む葉も稀に混じる。基部は広い楔形~円形。葉縁はでこぼこした低い波状のきょ歯がある。主脈は両面に隆起し、側脈は裏面隆起はない。
④葉は革質で厚く、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は黄味を帯びた淡緑色で無数の小さい油点(陽にかざし拡大すると見える)がある。両面とも無毛。葉柄には幅約1cmの広い逆三角形状の翼があるが、狭い線状の翼もある。若い枝は緑色で稜があり、葉腋から長さ約0.2cmほどの短い棘がでる。
⑤花期は5月。葉腋に5弁の白い花をつける。果実はミカン状果。直径6~8cmの球形で、秋に黄色に熟す。果梗部(ヘタに近い部分)が凸状に盛り上がっているのが特徴。果皮は厚いが剥き易く、糖度が高く食味にも優れている。
⑦名前の由来:果実の果梗部の突起(デコ)と交配親のポンカンから命名された。ちなみに、アメリカでは「スモー(SUMO)」という名で、栽培・販売されているという。へた部分のでっぱりが、力士の髷に似ていることからと言われている。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 先端がやや凹む葉
葉柄の翼
 
 
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