ドイツトウヒ(別名:オウシュウトウヒ) (マツ科トウヒ属)
①分布等:庭園や公園に植栽。ヨーロッパ原産の常緑高木。雌雄同株。幹は直立し、整然と枝を伸ばし、高さ30~40mになる。樹皮は暗褐色で、鱗片状に剥げれ落ちる。
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-互生-螺旋状かかまぼこ型に付く-葉先が尖る(図37)。
③葉は長枝にかまぼこ型に付き、葉身は 長さ 2~3cm、幅 0.1cm内外の線形。断面は菱形。葉の先端は尖り、多少曲がる。葉の基部には赤黄褐色の葉枕があり、枝に対して上向きにでる。
④葉の表面は濃緑色。横断面は菱形で、4面に白色の気孔線がある。新枝は葉枕と同じ赤黄褐色で無毛。冬芽は直径約0.5cmの淡褐色でバラの花のように見える。
⑤花期は5~6月。雌雄同株。雄花は淡褐色、雌花は紅紫色で、ともに長円筒形で枝先につく。種子は球果に包まれる。球果は、長さ10~20cm、直径3~6cmの長円筒形で、下垂し、10月ごろ褐色に熟す。世界のトウヒ属の中で最大の球果である。
⑥類似種:<コロラドトウヒ(ブンゲンストウヒ)>は、本種と同じマツ科トウヒ属の常緑高木(北米原産)で白味を帯びた青緑色の葉が特徴である。多くの園芸品種があり、葉の白味が強い品種'ホプシー'がよく植栽されている。
⑦名前由来:ドイツに多く生育するのでこの名前がついた。
⑧本種は、北海道では鉄道の沿線に植えられ、防雪林となっている。ヨーロッパの森林景観を作り上げている代表的樹種で、 特にドイツではシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald、黒い森、黒の森))の主要樹種の一つである。ヨーロッパでもっとも価値のある針葉樹で、建築材、楽器材等として広く利用され、柱時計の鎖の錘はこの球果をかたどったものとされている。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
葉裏拡大2 冬芽
雄球花 若い球果
球果 裂開した球果
近影 近影2
コロラドトウヒ コロラドトウヒの球果
inserted by FC2 system