①分布等:長崎県の対馬・壱岐、福岡県の沖島の海岸に自生する常緑小低木。グラウンドカバーや寄せ植え、盆栽、庭木、根締め等として植栽。雌雄異株。イブキ(ビャクシン)の変種で、幹は地上を這い、ときに崖から垂れ下がるように伸び、高さ30~50cmになる。多くの園芸品種があり、本写真もその1種とみられる。 ②分類:針葉樹-鱗状葉(図39)。 ③葉は針状と鱗状の2型がある。ほとんどは針状葉であり、燐状葉は稀に成木で見られる。 ④燐状葉は、濃緑色で、長さ 0.15cmの小さな楕円形で十字対生し、葉を付けた枝も含めて幅 0.1cm程度となる。葉先は丸く、断面も丸くて表裏の区別はない。 ⑤花期は5~6月。雌雄異株(稀に同株)。雄花は黄色、雌花は緑色で、いずれも枝先につく。種子は球果に包まれる。球果は、直径0.8~0.9cmの球形で、翌年の10月ごろ、粉白色の粉をかぶり紫黒色に熟す。 ⑥類似種:「ミヤマビャクシン」に似るが、ミヤマビャクシンは枝が幹から斜め上に伸びるに対し、ハイビャクシンは横方向に伸びる点で区別できる。 ⑦名前由来:「這ビャクイン」の意で、幹が地上を這うことから。「イワダレネズ」はときに崖から下垂することから、「ソナレ」は「磯馴れ」の意で、磯に生えて海風に従って丈低く拡がることから。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉裏拡大 | |
枝 | 球果 | |
近影 | 近影2 | |
全影 | ||