①分布等:北海道、本州、四国、九州 の山地に自生する落葉高木。幹は直立し、高さ20~30mになる。樹皮は若木では灰白色。老木では黒褐色で、縦に不規則に深く裂ける。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-分裂葉-互生-きょ歯あり(図12)。 ③葉は枝先に集まって互生する。葉身は、長さ・幅とも 10~30cmの円形で、掌状に中程度または深く5~9裂する。葉柄は長く10~30cm。裂片の先端は尾状に伸びて鋭く尖り、基部は心臓形。葉縁には細かくて鋭いきょ歯がある。 ④葉質は厚く、表面は緑色で光沢があり無毛、裏面は灰緑色で葉脈上や葉腋に淡褐色で柔らかい縮毛がある。葉柄にははじめ縮れた毛があるが、のち無毛、基部は著しく膨らむ。本年枝は太く灰褐色で、はじめ毛が密生するがのち無毛、鋭い棘が多数あり、灰白色で長楕円形の皮目がある。葉をちぎるとウコギ科特有の香りがある。 ⑤花期は7~8月。枝の先端に、球形の散形花序を多数だし、淡黄緑色の小さい花を多数つける。萼と花弁は各5個。雄しべは5個で花冠から突き出る。果実は液果。直径0.4~0.5cmの球形で、9~11月に赤褐色から黒色に熟す。 ⑥類似種:葉裏全体に毛が密生するものを<ケハリギリ>という。南九州から琉球列島には<リュウキュウハリギリ(ミヤコダラ)>が自生する。 ⑦名前の由来:「ハリギリ」は、材がキリに似ていて棘があるから。別名の「センノキ」は、元々東北地方の方言だったものが一般化した。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉裏拡大 | |
花序 | 果序 | |
果序2 | 果序拡大 | |
近影 | 近影2 | |
近影3 | 遠景 | |
幹 | ケハリギリ(葉表拡大) | |