①分布等:北海道、本州、四国、九州 の山地に稀に自生する草本状の常緑小低木。地下茎がよく分岐し、立ち上がった幹も地上を匍匐し斜上して、高さ0.3m程度になる。地下茎で増えるため一面に群落を作る。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達する-常緑性(図27)。 ③葉は枝先に集まって互生するので輪生状に見える。葉身は 長さ3~8cm、幅3~5cmのへら形。葉柄は0.5~2cm。葉の上半部に大きいきょ歯が数個あり鈍く尖るが、主脈が二股に分かれて葉先が凹む葉もある。基部は次第に狭くなって葉柄に流れる。 ④葉質は肉厚。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色で、両面とも無毛。枝は緑色。 ⑤花期は3~4月。枝の先端Iに長さ2~4cmの穂状花序を直立してだし、白色の花を多数つける。上部に多数の雄花が密生し、最下部に少数の雌花がつく。両花とも花弁はなく、雄花は雄しべは4個で、花糸が白くて太く、葯は褐色。雌花は雌しべが1個あり花柱は2個でくるりと巻く。果実は核果。長さ1~1.5cmの卵形~球形で、10月に淡黄白色に熟す。 ⑥名前の由来:「富貴草」の意で、常緑の青葉が1年中絶えず、こんもりと茂ることから家の繁栄を祝う意味で付けられたとされている。別名の「キチジソウ(吉事草)」も同様に縁起の良い名前が付いたようだ。 ⑦一面に群生するので、庭園の下草やグランドカバーとして用いられることが多い。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉裏拡大 | |
葉裏拡大 | 花序(上部に雄花・最下部に雌花) | |
雌花 | 実 | |
近影 | 近影2 | |
全影 | ||