インドボダイジュ(クワ科イチジク属) (別名:テンジクボダイジュ)
①分布等:観葉植物として温室内で栽培。インド、スリランカ原産の半落葉高木。インドでは3月ごろ短期的に落葉する。日本では常緑樹。幹は直立し、密に分岐して、高さ10~30mになる。全株無毛。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は明瞭-常緑性(図23)。
③葉は互生し、葉身は 長さ 10~20cm、幅 8~12cmの三角状広卵形。葉柄は長く6~10cm先端は尾状に長く伸びて鋭く尖るのが特徴で、尾の先端部分は大きく曲がる。基部は切形か広い楔形。側脈は8~12対で、葉縁まで平行に直線的にのびて葉縁の直前で隣の側脈とつながる
④葉質は薄い革質。表面は暗緑色で平滑、裏面は灰緑色で、両面とも無毛。葉柄と若い枝は淡灰緑色で無毛。葉柄には上面に溝がある。3月頃、短期落葉した場合の新葉はピンク色で美しい。枝や葉を傷つけるとイチジクと同様に白い乳液を出す。
⑤花期は6~7月。葉腋または葉の落ちた痕のわきに直接花嚢をつける幹生花。花はこの花嚢の内側に多数つき、花を見せないまま果実が熟し果嚢となる。果実は複合果(イチジク状果)。果嚢は直径1~1.5cmの扁球形で、紅色の斑点を付けて赤紫色に熟す。
⑥名前の由来:本種はインドのアシュヴァッタ樹であるが、釈迦がこの樹の下で悟りを開いたことから、「正しい悟りの智の木」を意味するボーディ・ドルマ(bodhi-druma=菩提樹)と呼ばれるようになった。このため、本来は本種が「ボダイジュ」であるが、中国や日本では育たないため代わりに葉の形が似ているとしてシナノキ科の「ボダイジュ」を使ったため、近年になって導入された本種を「インドボダイジュ」として区別している。仏教の経典では、別名の「テンジクボダイジュ(天竺菩提樹)」を使っている。
⑦本種の花はインドの国花となっている。 
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大
近影 近影2
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