①分布等：本州、四国、九州 の山地に自生する落葉低木または小高木。雌雄異株。高さ3～4ｍになる。樹皮は灰褐色。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は葉身の全体にある-落葉性（図31）。 ③葉は2枚づつ互生するコクサギ型葉序であるが、単なる互生の形をとる部位も少なくない。葉身の長さ 6～12ｃｍ、幅 3～5ｃｍの倒卵状長楕円形。葉柄は0.5～1ｃｍ。葉の先端はやや尾状に短く尖り、基部は円形または広い楔形。葉縁には低いきょ歯があり、その先端は淡褐色～赤褐色の短刺状になる。側脈は6～10対で裏面に隆起する。側脈の先端は葉縁に達する直前に急に曲がり葉縁に沿って上行し隣の側脈と繋がる。 ④葉の表面は濃緑色で無毛。裏面は淡緑色で、葉脈上と葉柄に淡褐色の毛がある。若い枝は赤褐色、はじめは淡褐色の伏毛におおわれるが、のち無毛。楕円形の皮目が多い。 ⑤花期は6～7月。両性花。枝の上部の葉腋から小形の集散花序をだし、黄緑色の小さな花を多数つける。花冠は直径約0.5ｃｍで、花弁と萼片は各5個。果実は核果。直径約0.5ｃｍの倒卵状球形で、9～10月に、赤色から赤紫色となり紫黒色に熟す。 ⑥名前の由来：不明。この樹が水辺にはいているので「磯の木」と名づけたという説もある。 ※本種は、旧分類では「クロウメモドキ属」とされていた。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉裏拡大
実	枝と若い実
近影