①分布等:北海道、本州(東北地方)の湿原や湿った傾斜地に自生する半常緑小低木。地下茎を長く伸ばし、群生する。幹は下部からよく分岐し、高さ0.8~1mになる。樹皮は柴黒色。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面に毛がある-常緑性(図20)。 ③葉は枝先に集まって対生する。葉身は長さ2~5cm、幅0.4~1.2cmの披針形。葉柄は長さ0.3~0.5cm。葉の先端は鈍く尖り、中央に突起がある。基部は円い。縁は全縁で、裏目に反り返る。 ④質は革質。表面は濃緑色で早落性の淡黄色の腺点と軟毛がある。裏面は白い短毛と赤褐色の長軟毛が密生する。葉柄と若い枝には赤褐色の長軟毛が密生する。毛の色や量は変異が大きい。葉の裏に白い毛が多いものをイソツツジ、赤褐色の毛が多いものを<カラフトイソツツジ>として区別する見解もある。 ⑤花期は6~7月。枝先に1~3cmの花柄をもつ白い花が球状に多数集まってつく。花弁は5個。雄しべは10個で花冠から長く突き出る。果実は蒴果。長さ約0.5cmの楕円形で、先端に花柱を残し、7~9月に熟す。 ⑥類似種:<ヒメイソツツジ>は、北海道の高山地帯に分布し、葉身は小形で、長さ2cm、幅0.2cm内外の広線形。縁は裏面に著しく巻き込み、花は小さい。 ⑦名前の由来:「磯ツツジ」の意であるが、海岸にはなく、「エゾツツジ」が誤って伝えられたという。 ※本種は、旧分類では「イソツツジ属」とされていた。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉表拡大2 | |
葉裏拡大 | 枝 | |
花 | 実 | |
近影 | 近影2 | |
近影3 | 全影 | |
ヒメイソツツジ | ||