①分布等：本州（関東南部以西）、四国、九州の山地に自生する常緑高木。雌雄同株。幹は直立し、高さ30ｍになる。樹皮は黒褐色～灰黒色で、剥片となって剥がれる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達する-常緑性（図27）。 ③葉は互生し、葉身は 長さ 6～14ｃｍ、幅 2～3cmの倒披針形。葉縁は上半部に鋭いきょ歯がある。先端は急に鋭く尖り、基部は次第に狭くなり鈍形。側脈は10～14対でまっすぐに平行して斜上し葉縁に達する。主脈は裏面に隆起する。葉柄は1～1.5ｃｍで、黄褐色の星状毛が密生する。 ④革質で硬く、葉の表面は深緑色で光沢があり、裏面は黄褐色の星状毛が密生して淡い褐色にみえる。若い枝は黄褐色の星状毛が密生し縦の溝があるが、のち、無毛となり円い皮目がでる。 ⑤花期は4～5月。雌雄同株。雄花序は長さ5～16ｃｍで新枝の下部から数個垂れ下がる。雌花序は新枝の上部の葉腋に数個上向きにつける。果実は堅果。直径1～1.3ｃｍの卵球形で、１０月に熟す。穀斗は杯形で6～７段の同心円状の輪がある。 ⑥類似種：ウバメガシ、アカガシ、ツクバネガシは、ブナ科常緑樹の中で、葉裏色が淡緑色や黄褐色などで、金属的な光沢を帯びず、白味も帯びない点で似ているが、見分け方は、「ブナ科（常緑樹）検索表」及び「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：「一位樫」の意でカシの木の中でも樹高が一番高くなるからとか、材質が良いことからついた、などという説がある。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	実
実２	全影 （愛媛県内子町広瀬神社：県天然記念物）
幹