①分布等：本州、四国、九州,、沖縄 の山麓や湿地、湿った原野に自生する落葉低木。枝は細長く伸びて先が垂れ下がり、高さ1～2ｍになる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛なし（図19）。 ③葉は対生し、葉身は、長さ 3～7ｃｍ、幅 1.5～3ｃｍの倒卵状長楕円形。葉柄は0.1～0.4cm。先端は尾状に伸びて鈍く尖り、基部は楔形。葉縁には上半分に不揃いのきょ歯がある。側脈は5～7対。 ④葉の表面は緑色で毛は少ないが全面にある。裏面は淡緑色で全面に腺点があり、葉脈上に毛が少しある。葉柄と若い枝は紫色で、はじめ星状毛があるが、のち無毛。 ⑤花期は7～8月。葉腋の少し上部から集散花序をだし、淡紫紅色の花を多数つける。花冠は長さ約0.３ｃｍの短い筒状で先端は4裂し平開する。雄しべは4個で、雌しべ1個とともに、花冠から突出する。果実は核果。径約0.3ｃｍの球形で、10～1月に紫色に熟す。 ⑥類似種：同属の「ムラサキシキブ」や「ヤブムラサキ」に似るが、ムラサキシキブとはきょ歯が全縁にあることで区別でき、ヤブムラサキは枝葉にふかふかの毛が多いことで区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：コムラサキシキブのことであり、ムラサキシキブより小ぶりなことから。ムササキシキブの由来は「ムラサキシキブ」の項を参照のこと。別名の「コシキブ」は、「小ムラサキシキブ」の意か。 ⑧庭木として植えられることが多いが、しばしば、「ムラサキシキブ」の名で出回っている。 ※本種は、旧分類では「クマツヅラ科」とされていた。

葉表	葉裏
葉裏拡大	花
実	近影
幹