クサギ(シソ科クサギ属)
①分布等:北海道、本州、四国、九州、沖縄 の山地に自生する落葉低木~小高木。高さ4~8mになる。樹皮は灰色~暗灰色で、皮目が多く目立ち、縦に浅い裂け目がある。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-落葉性(図15)。
③葉は対生し、葉身は 長さ 8~15cm、幅 5~10cmの三角状心臓形~広卵形。葉柄は長く 5~12cm。側脈は6~8対。葉縁は成木では全縁で、若い木では低く小さいきょ歯がある。葉の先端は急に尖り、基部は円形または切形。基部から3分岐した葉脈が目立つ相対する葉の葉柄は長さが異なる葉脈は上面で凹み裏面に隆起する。
④葉の表面は濃緑色で葉脈上にわずかに毛があり、裏面は淡白緑色で、葉脈上に軟毛が密生し、基部付近に数個の線点がある葉を揉むと強い臭気がある。若い枝にははじめ帯褐色~白色の軟毛がある。
⑤花期は8~9月。枝先から複集散花序をだし、芳香のある白色の花を多数つける。花筒は細長く、2~2.5cm。萼は帯紅色で、萼と花冠の先端は各5深裂する。雄しべ4個と雌しべ1個があり、花冠より突き出す。果実は核果。直径0.6~0.7cmの球形で、10~11月に星形の萼を残して、光沢のある藍色に熟す。深紅の萼と藍色の実のコントラストが美しい。
⑥類似種:<アマクサギ>は、九州南部から沖縄に分布し、枝葉がほぼ無毛で、葉はやや厚く表面に光沢があるのが特徴。<ショウロウクサギ>は、四国南部、九州南部から沖縄に分布し、葉裏や葉柄、若い枝に白い毛が密生する。ただし、本種とこれら2変種は明瞭に区別しにくい場合が多いようだ。
⑦名前の由来:「臭木」の意味で、葉を揉むと強い臭気があることからきた。
本種は、旧分類では「クマツヅラ科」とされていた。
葉表 葉裏
葉裏拡大
藍色の実と深紅の萼 近影
全影
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