クチナシ(アカネ科クチナシ属)
①分布等:本州(静岡県以西)、四国、九州、沖縄 の山地に自生する常緑低木。幹は叢生し、高さ1~2mになる。樹皮は灰褐色。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-常緑性(図14)。
③葉は十字対生し、時に三輪生。葉身は 長さ 5~12cm、幅 2.5~5cmの倒披針形~長楕円形。葉柄は0.1~0.3cm。先端は尖り基部は楔形で葉柄に流れる。縁は全縁で、裏面に反り返る。側脈は5~8対で、ほぼ並行して伸び、側脈間が膨らむものが多い。
④葉は、革質で厚く、表面は濃緑色で強い光沢があり、裏面は淡黄緑色。両面とも無毛。托葉は4個がすべて合着し、長さ0.6~1cmの筒状となり先端は斜めに切れる。若い枝は緑色で、古くなると灰褐色となる。
⑤花期は6~7月。枝先に強い芳香のある白色の花を1個ずつつける。花冠は直径5~6cmで、質が厚く、先は5~7裂する。裂片は倒卵形で、はじめ白いが次第に黄色くなる。雄しべは6個。果実は肉質の液果。長さ2~3cmの楕円形でふつう6稜があり、11~12月に果頂に6個の萼片を残し、橙色に熟す。
⑥類似種:公園などに植栽されているクチナシは、花がやや大きく、八重咲の品種である<ヤエクチナシ>が多い。<コーヒーノキ>は、本種と同じアカネ科であるが「コーヒーノキ属」に属する植物の総称で、アフリカ大陸の西部~中部などに自生する。葉は互生し、葉身は暗緑色で光沢があり、長さ12~15cm、幅3~6cmの長楕円形。縁は全縁で波打つ。花は、白色の5弁花で星状に開き、芳香がある。果実は核果。長さ約1.5cmの球状で、緑色から濃赤褐色に熟す。中にある種子がコーヒー豆である。演芸品種があり、コーヒー豆のブランドとしては、ジャマイカのブルーマウンテン、エチオピア・イエメンのモカ、タンザニアのキリマンジャロが有名である。
⑦名前の由来:果実が裂開しないので「口無し」となったとの説がある。
葉表 葉裏
葉裏拡大 合着した托葉
3輪生の葉
ヤエクチナシの花
近影 全影
コーヒーノキ(花) コーヒーノキ(実)
コーヒーノキ(葉・近影)  
 
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