マンネンロウ(別名:ローズマリー) (シソ科アキギリ属)
①分布等:庭木、垣根、ハーブの原料として植栽。地中海沿岸地方原産の常緑低木。幹は株立ち状となり、または匍匐し、高さ0.2~2mになる。多くの園芸品種がある。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-常緑性(図14)。
③葉は十字対生する。葉身は 長さ 約3cmの棒状。葉柄はほとんどない。葉の先端は円く、基部は狭まらず葉柄に続く。葉縁は全縁。葉の中央部は凹み、葉脈はない全体の葉縁が裏側に巻き込み棒状になっている。
④葉は分厚い革質。表面は濃緑色で、光沢があり無毛、全体に鱗状の凸凹があり、中央部は線状に凹む。裏面は過半は表面が裏返ったもので、その隙間から裏面が見え、灰白色の綿毛が密生する。葉には甘く爽やかな芳香があるのが特徴。
⑤花期は2~10月(開花は不定期で他の時期にも咲く)。葉腋から短い花序をだし、淡紫色の唇形花を数個開く。花冠は長さ1.2~1.4cm。萼は上唇と下唇に分かれ、上唇は3裂、下唇は2裂する。中央の裂片は大きく前方に突き出す。雄しべは2個、花柱は1個で花冠より長く突き出す。果実は堅果。
⑥名前の由来:漢字表記は「迷迭香」とされているが、これを「マンネンロウ」と呼ぶいわれは不明。漢字表記に「万年蝋」または「万年朗」もあり、これは、べとべとする触感が「蝋」のようだとか、また、香りが強く常緑であることから”永遠の青年”になぞらえて「万年朗」となったとの説もある。別名のローズマリーは英名の「rosemary」をそのまま使ったもの。「rosemary」は、本種の属名「Rosmarinus」に由来し、ラテン語の「ros:露」と「marinus:海の」の合成語で「海の露」を意味する。野生種が海岸のがけ下などで多く見られたからという。「ローズマリー=聖母マリアのバラ」と解釈するのは俗説とされている。
葉表 葉裏
短枝に十字対生 葉裏拡大
花2 近影
近影2 全影
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