①分布等：北海道、本州、四国、九州 の山地の日当たりのよい場所などに自生する落葉高木。雌雄異株。幹は直立し、高さ5～15ｍになる。樹皮は暗灰色で平滑。 ②分類：広葉樹（直立性）-複葉-1回羽状複葉-対生（図6）。 ③葉は長さ10～20ｃｍの奇数羽状複葉で対生。葉柄は1～1.5ｃｍ。小葉は普通1～2対（稀に３対）。小葉身は 長さ 5～10ｃｍ、幅 1.5～3.5ｃｍの卵状長楕円形。側小葉の小葉柄は0.1～0.3ｃｍ。側脈は8～10対。先端はやや長く伸びて尖り、基部は左右不揃いのゆがんだ楔形。縁は全縁で、ときに不明瞭な低いきょ歯がある。 ④小葉の表面は鮮緑色で、葉脈上に僅かに毛があり、裏面は灰緑色で主脈上に白い開出毛が密生する。 若い枝は灰褐色で微細な毛と腺毛がある。頂芽には両側に頂生側芽がつき、側芽ともども大きいのが目立つ。 ⑤花期は３～４月。雌雄異株。枝の先端と葉腋から円錐花序をだし、白色の花を多数つける。花冠は４全裂し、基部でわずかに合着する。裂片は長さ0.6～0.7ｃｍの線形で、柱頭は赤みを帯びる。果実は翼果。長さ2～2.7ｃｍ、幅0.4～0.5ｃｍの倒披針形で、９～１０月に赤褐色に熟す。 ⑥類似種：アオダモ、ケアオダモ、ヤマトアオダモに似るが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：アオダモによく似ていて、葉の縁が全縁かきょ歯がほとんど目立たないので、「マルバ」をつけたもの。「マルバ」は葉の形が円いことを表すわけではない。「アオダモ」の名前の由来は、枝を水に浸けておくと水が青い蛍光色になることからとされているが、蛍光を当てると青く光ることからではないか。別名の「ホソバアオダモ」は葉の形から。「コガネアオダモ」は不詳。 ⑧紫外線照射実験：ワイングラス3個に、水（左）、アオダモ抽出液（中央）、シマトネリコ抽出液（右）を入れて、紫外線を照射した結果、中央のワイングラスだけが青い蛍光色を発した。

小葉表	小葉裏
小葉表拡大	小葉裏拡大
枝	雄花序
実	近影
近影２	幹
紫外線照射実験（昼光下）	紫外線照射実験（紫外線照射）