マルバチシャノキ (ムラサキ科チシャノキ属)
①分布等:本州(千葉県南部以南)、四国、九州、沖縄 の海沿いの山地の林縁や岩場などに稀に自生する落葉小高木。高さ7~9mになる。樹皮は灰白色~灰色で、コルク層が発達し、縦に深い割れ目が入る。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-単きょ歯-側脈は葉縁に達する-落葉性(図29)。
③葉は互生し、葉身は長さ 6~17cm、幅 5~12cmの広楕円形。葉柄は長さ.2~4cm。先端は急に鋭く尖り、基部は円いか浅い心臓形。葉縁には不規則なきょ歯がある。葉脈は細脈まで表面で凹み裏面に隆起し、表面はしわが目立つ
④葉は厚くて堅い。表面は暗緑色で剛毛が散生して著しくザラつく裏面は帯白緑色で短毛が密生する。 
⑤花期は5~7月。枝の先端に散房花序をだし、白色の小さい花を多数つける。花冠は直径約0.5cmで、5裂し裂片は反り返る。果実は核果。直径1~1.5cmの球形で、先端に小突起があり、7~11月に黄色に熟す。果肉はねっとりとしていてやや甘く、生食できる。
⑥類似種:「チシャノキ」に似るが、チシャノキは、本種より葉の幅が狭く、葉脈が葉縁に達しないことで区別できる。
⑦名前の由来:チシャノキに似ていて葉が円いことから。「チシャノキ」は、本種の若葉の味が、 チシャ(キク科アキノノゲシ属の野菜、レタス)の味に似ていることから。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大
若い実 近影
近影2 全影
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