マタタビ(マタタビ科マタタビ属)
①分布等:北海道、本州、四国、九州 の山地に自生するツル性の落葉樹。雌雄異株。樹皮は灰褐色で、紙状に薄く剥がれる。
②分類:広葉樹(つる性)-単葉-互生-きょ歯あり(図4)。
③葉は互生し、葉身は 長さ 6~15cm、幅 3.5~8cm の楕円形~広卵形。葉柄は2~7cm。葉脈は5~6対。先端は急に細くなって鋭く尖り、基部は円型~切型。葉縁には短く芒状につきでるきょ歯がある。
④質は薄く、表面は緑色で無毛。裏面は淡緑色で、葉脈上に毛があり、脈腋にやや多く、脈上には肉太の毛状突起が散生する。葉柄は赤味を帯び、葉柄の付け根の枝は膨らみ冬芽はその中にを包まれ先端だけが見える(半隠芽)。6~7月、花の咲く頃、枝の上部の葉が一部分または全体がペンキを塗ったように白く変化する若い枝は淡褐色ではじめ軟毛があるが、のち無毛。次年には紫黒色となり、楕円形や線状の皮目が多い。
⑤花期は6~7月。雌雄異株。雄株は、白い5弁の雄花を集散花序に1~3個つけ、多数の雄しべがある。葯は黄色。雌株は、花弁のない雌花か、白い5弁の両性花をつけ、両性花は花柱が放射状に伸びるのが特徴。果実は液果。長さ2~2.5cmの長楕円形で、先端はくちばし状に伸び、10月ごろ橙黄色に熟す。
⑥類似種:同属の「サルナシ」、「シマサルナシ」、「キウイフルーツ」に似るが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前の由来:旅人がこの実を一つ食べると、たちどころに疲労が回復し、又旅(またたび)を続けることができたことに由来するという説。アイヌ語の「マタタムブ」(マタ=冬、タムブ=亀)から訛ったもので、マタタビアブラムシが花の中に寄生した果実が、亀の甲の様な姿をした凹凸のある虫瘤になり、これを「マタタムブ」と読んだことから転化したという説などがある。
⑧ねこ科の動物は、上記虫瘤を非常に好み、これを食べて酔ったようになる。果実には辛味と香りがあり、塩漬けや果実酒にする。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
葉裏拡大2
雄花 雄花2
若い実
近影 近影2(表面が白くなっている葉)
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