マツグミ(オオバヤドリギ科マツグミ属)
①分布等:本州(関東以西)、四国、九州 のマツ・モミ・ツガなどの針葉樹に寄生する半常緑小低木。日本固有種。幹はよく分岐し、長さ20~50cmになる。樹皮は褐色。針葉樹に寄生するヤドリギ類は本種のみである。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-常緑性(図14)。
③葉は対生し、葉身は 長さ 1.5~4cm、幅 0.4~0.9cm の倒披針形。葉柄は0.1cm程度。葉の先端はまるく、基部は次第に細くなり、葉柄に流れる。葉縁は全縁。
④質はやや厚い革質。葉の表面は濃緑色で無毛、主脈が少し浮き出る場合がある。裏面は淡緑色で葉脈は見えず、はじめ濃褐色の毛があるが、すぐに無毛になる。葉の落ちた痕はこぶ状に隆起する。枝は褐色で、はじめ褐色の毛が密生すが、のち無毛 
⑤花期は7~8月。葉腋に短い集散花序をだし、深赤色で筒形の花を1~4個束生する。花被は円筒状で、長さ約1.5cm、上部は1方に偏って4裂し反り返る。雄しべは4個、花柱は1個で、ともに花冠の外にとびでる。果実は液果。直径約0.5cmの球形で、翼年5月ごろに赤く熟す。
⑥類似種:同属の<オオバヤドリギ>は、カシ・シイ・タブノキなどの常緑広葉樹に寄生する常緑小低木で、ややつる状となり、長さ約1mになる。葉は葉身の長さ3~6cm、幅2~4cmの広卵形で、裏面に赤褐色の綿状星状毛を密生するのが特徴。本州(関東地方南部以西)、四国、九州、沖縄に分布する。
⑦名前の由来:マツに寄生し果実がグミに似ていることから。
本種は、旧分類では「ヤドリギ科」とされていた
葉表 葉裏
葉裏拡大 花序
若い実
近影 全影
全影2 遠影(着生部位)
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