ミカエリソウ(別名:イトカケソウ) (シソ科テンニンソウ属)
①分布等:本州(中部地方以西)の山地に自生する落葉低木。茎が木化するシソ科唯一の木本。幹は株立ち状となり、高さ0.5~1mになる。地下茎で広がるので、林床で点々とパッチ状の小群落が点在することが多い。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛あり(図18)。
③葉は対生し、葉身は 長さ 10~20cm、幅 8~12cmの楕円形~卵状楕円形。葉柄は1~5cm。側脈は8~11対。先端は鈍く尖り、基部は円形~広い楔形。葉縁には先端が円いか鈍く尖る不揃な粗いきょ歯がある。葉脈は表面で凹み裏面に隆起する。
④質は薄い草質。葉の表面は濃緑色で脈上に星状毛がある。裏面は淡緑色で、裏面の全面と葉柄に星状毛が密生する。若枝は緑色で、短毛があり、2年枝は淡褐色で無毛。
⑤花期は10~11月。枝の先端に長さ10~18cmの細長い穂状花序を上向きにだし、多数の花を密につける。花冠は長さ約1cmの筒状で淡紅色。先端は唇形となり、上唇は浅く2裂し、下唇はやや長く先は3裂する。紅色の4個の雄しべと1個の雌しべが外に長く突き出し目立つ。果実は分果。長さ長さ0.3~0.35cmのやや扁平な広いくさび形で、3稜があり、表面に腺点が散在する。
⑥類似種:花が白色のものがあり<シロバナミカエリソウ>という。
⑦名前の由来:花がきれいでみんな振り返って見ることからという。別名の「イトカケソウ」は「糸掛草」の意で、花冠から突き出る雄しべと雌しべを糸とみなしたもの。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 葉裏拡大2
花序 花序拡大
近影
全影  
 
inserted by FC2 system