①分布等:本州(関東地方南部以西)、四国、九州、沖縄 の暖地沿岸部の山地に自生する常緑高木。高さ10~15mになる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不 明瞭-きょ歯は葉身の上半部にある(図28)。 広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は明瞭-常緑性(図23)。 ③葉は枝先に集まって互生し、葉身は 長さ 7~12cm、幅 2~4cm の狭長楕円形。葉柄は1~1.5cm。先端は急に狭くなって短く尖り、基部は楔形。縁は全縁、または、先端部に粒状の小さいきょ歯が少数あり、やや狭く裏面に巻く。葉脈は上面で凹み下面で隆起する。冬芽は、長さ0.3~0.8cmの卵状球形で褐色の毛が密生する。 ④葉は革質で厚く、表面は緑色で光沢があり、裏面は灰白色を帯びて、葉脈が緑色に見える。両面とも無毛。若い枝は褐色で、はじめ黄褐色の毛があるが、のち無毛。縦に切ると髄に白色のハシゴ状の膜が見える。 ⑤花期は7~8月。本年枝と前年枝の葉腋に、短い穂状花序をだし、白い花を多数つける。花は柄がなく、直径約0.7cmで、葯が紫色。花冠は5深裂し、雄しべが多数あり花冠より長い。果実は核果。長さ1.2~1.5cmの卵状長楕円形で、翌年の秋~冬に黒紫色に熟す。 ⑥類似種:細長い葉が枝先に集まってつくことでサクラソウ科の「タイミンタチバナ」に似るが、タイミンタチバナは葉裏が淡緑色で葉脈が緑色に見えることはなく、また、若い枝の髄に膜がないことなどで区別できる。見分け方の詳細は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来:本種は「灰の木(ハイノキ)」の一種で、実の形がミミズの頭に似ていることから、「蚯蚓(みみず)灰」となった。ハイノキは、燃やして出来た灰を染物の媒剤として利用していたことから。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉表拡大2 | |
葉裏拡大 | 葉裏拡大2 | |
枝(髄) | きょ歯のない葉 | |
近影 | 近影2 | |
近影3 | ||