①分布等：北海道、本州、四国、九州 の山地に自生する落葉低木。高さ2～4ｍになる。樹皮は紫褐色～灰黒色で皮目が散生する。樹皮は灰褐色。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-側脈は葉縁に達する-落緑性（図17）。 ③葉は対生し、葉身は 長さ 6～14ｃｍ、幅 4～9ｃｍの倒卵状円形～広倒卵形。葉柄は1～2.5ｃｍ。先端は急に狭くなって尾状に尖り、基部は広い楔形～切形。縁には浅い三角状のきょ歯が15対ほどある。葉脈は表面で凹み裏面に隆起する。 ④葉質はやや薄く、表面は緑色で光沢があり、無毛か長い絹毛を散生する。裏面は淡緑色で、脈に沿って斜上する長い毛があり、脈腋には淡褐色の毛がかたまる。また、裏面全体にやや不明瞭な腺点が多い。葉柄は赤みを帯びることが多く、白く長い絹毛が散生する。若い枝は紫褐色で無毛、古くなると紫褐色～灰黒色となり皮目を散生する。 ⑤花期は5～6月。枝先に直径6～10ｃｍの散房花序をだし、直径0.5～0.7ｃｍの白色の花を多数つける。花冠は5中裂して平らに開く。雄しべは5個で、花冠より長く突き出る。果実は核果。長さ0.6～0.9ｃｍの卵球形で9～10月に赤く熟す。 ⑥類似種：「ガマズミ」に似るが、ガマズミは葉先の尖り方が鈍く、葉の両面に毛があり、葉柄・若い枝にも毛が目だって多いこと、葉柄が赤みを帯びないので見分けることができる。「オオミヤマガマズミ」にも似るが、本種は表面に毛が無いが、オオミヤマガマズミは表面に単純毛と星状毛があることで区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：ガマズミが里山にも生えるのに対し本種は深山にしか見られないため「深山（みやま）ガマズミ」となった。「ガマズミ」の由来についは、漢名の「莢迷（きょうめい）」が転化して「ガマ」となり、それに酸実（すっぱい実）がついて「ガマズミ」となったという説ほか多数の説がある。 ※本種は、旧分類では「スイカズラ科」とされていた。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	枝
花序	花
若い実	実
近影	近影２
近影３	近影４
全影	幹