ナガバノコウヤボウキ (キク科コウヤボウキ属)
①分布等:本州(宮城県以南)、四国、九州 の山地のやや乾燥したところに自生する落葉小低木。日本固有種。幹は細く、一見草本状で、高さ0.5~1mになる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は葉身の上半部にある(図28)。
③葉は、一年枝は長さ 2~5cmの卵形の葉を互生し、2年枝では長楕円形の葉が節ごとに数個ずつ束生する。(写真は2年枝)。2年枝の葉は、葉身の長さ 3~4.5cm、幅 1~1.5cmの狭卵形~長楕円形。葉の先端は鋭く尖り、基部は楔形。葉縁には小さな突起状の鋭いきょ歯が葉身の上半部にある葉脈は3行脈が目立つがやや不明瞭。
④質は堅い。葉の表面は緑色で無毛。裏面は淡緑色で光沢があり、ほぼ無毛。枝は紫色で無毛。
⑤花期は8~9月。前年枝の束生した葉の中央に、白い筒状花が10数個集まった頭状花序を1個つける。筒状花は長さ約1.5cmで、花冠の先は5深裂し、裂片はくるりと反り返る。雄しべは5個、雌しべは1個あり、ともに花冠から突き出る。総苞は長楕円形でうろこ状に重なる。果実は痩果。長さ約0.7cmの淡褐色の筒状、先端には長さ約1.5cmで淡褐色の冠毛がある。
⑥類似種:「コウヤボウキ」に似るが、コウヤボウキは枝や葉に毛が多く、きょ歯が少ないこと、葉脈が明瞭で細脈まで見えること、で区別できる。
⑦名前由来:コウヤボウキとよく似ていて、葉が細長いことから。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
長枝 長枝の葉
花2
近影 近影2
近影3 全影
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