ネーブルオレンジ(ミカン科ミカン属) (別名:ネーブル、アマダイダイ)
①分布等:暖地に果樹として栽培。原産地はインドのアッサム地方、ポルトガル、アメリカなど諸説がある常緑小高木。高さ8~10mになる。オレンジ類はスイートオレンジ、サワーオレンジ、マンダリンオレンジに大別され、通常、単にオレンジというと、スイートオレンジで、流通量の多いネーブルオレンジかバレンシアオレンジを指すことが多い。本解説はネーブルオレンジを使用した。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-
             きょ歯は葉身の全体にある-常緑性(図30)

③葉は互生し、葉身は 長さ6~8cm、幅 3~5cm の楕円形。葉柄は0.5~1.5cm。葉先は鈍く尖りわずかに凹。基部は広い楔形。葉縁には低い波状のきょ歯がある。主脈は両面に隆起し、側脈は裏面のみに隆起する。
④葉は革質で、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は黄味を帯びた淡緑色で無数の小さい油点(陽にかざし拡大すると見える)がある。両面とも無毛。葉柄には幅 0.1~0.5cmの逆三角形状の狭い翼がある。若い枝は緑色で稜があり、葉腋から小さい棘が出る。
⑤花期は5月。枝先または葉腋に1個の花をつける。花は白色の5弁花で、花弁はへら状で厚い。果実はミカン状果。球形で、11~12月に濃橙色に熟す。果実には種がなく、果頂部に「へそ」と呼ばれる凹みがあるのが特徴。甘味が多く、香りが豊かで、内袋もやわらか、しかも種がないため、生食に適している。 
⑥類似種:同じオレンジで「バレンシアオレンジ」との違いは、へそと種の有無である。
⑦名前由来:英語で「へそ」を意味する「navel」から。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 葉柄の翼
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