オガタマノキ(モクレン科モクレン属)
①分布等:本州(関東中南部以西)、四国、九州、沖縄 の海岸に近い山地に自生する常緑高木。幹は直立し、分岐し、高さ10~15mになる。樹皮は帯緑灰色で平滑。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は不明瞭(図22)。
③葉は互生し、葉身の長さ 5~10cm、幅 2~4cm の長楕円形~長楕円状倒卵形。葉柄は2~3cm。側脈は7~ 9対。全縁で緩やかに波打つ先端は鈍く尖るか短く突き出る。基部は広い楔形~円形。側脈は不明瞭。葉柄の付け根に枝を一周する托葉跡がある。
④葉は、革質で厚く、表面は深緑色で光沢があり無毛、裏面は帯白青色で、中央脈沿いに短毛がある。葉柄の上面には溝があり褐色の伏毛が生える。若い枝は暗緑色で、はじめ光沢のある黄褐色の伏毛があるが、のち無毛。 
⑤花期は2~4月。両性花。葉腋に直径約3cmで、強い芳香がある白い花を1個ずつつける。花被片は12個あり、すべて花弁状で、基部は紫紅色を帯びる。果実は袋果が集まった集合果。長さ5~10cmのブドウの房状で、9~10月に熟す。
⑥類似種:同属の「カラタネオガタマ」は、中国原産で、葉柄が約0.2cmと短いこと、若い枝に褐色の毛が密生することで本種と区別できる。
⑦名前の由来:「招霊(おきたま)」、「拝み霊(おがみたま)」が転訛したものとされ、この樹の枝を神前に供えて神霊を招くのに用いられる。神社によく植栽されている。
本種は、旧分類では「オガタマノキ属」とされていた。
葉表 葉裏
葉表拡大
近影 全影
ミヤマガンショウの葉
ミヤマガンショウの花  
 
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