オオモクゲンジ(別名:フクワバモクゲンジ) (ムクロジ科モクゲンジ属)
①分布等:稀に植栽。中国原産の落葉高木。高さ15~20mになる。樹皮は灰白色で、楕円形の小さな皮目が多い。
②分類:広葉樹(直立性)-複葉-2・3回羽状複葉(図9)。
③葉は長さ 50~60cmの2回羽状複葉で互生する。ただし、2回目の複葉では、その軸が対生につく。小葉は長さ 4~10cmの楕円形。小葉柄は0.1~0.8cm。先端は尾状に長く尖り、基部はいちじるしく左右不対称な円形。小葉の縁は、成木では全縁であるが、幼木では重きょ歯がある。葉脈は表面で凹み裏面に隆起する。
④小葉は厚い洋紙質で、表面は濃緑色で無毛。裏面は黄緑色で、葉脈上に黄褐色のちじれ毛が密生し、脈腋には毛のかたまりがある。葉柄、葉軸にも黄褐色のちじれ毛が密生する。若い枝は紫黒色で、黄色の皮目が目立つ。
⑤花期は9月。雌雄同株。枝先に長さ30~40cmの大形の円錐花序を直立してだし、黄色の小さな花を多数つける。果実は蒴果。長さ約4cmの楕円形の袋状で、10~11月に淡紅色に熟す。
⑥類似種:同属の<モクゲンジ(センダンバノボダイジュ)>は、本州の日本海側、宮城県、長野県に自生(中国原産とする説もある)する落葉高木で、本種より小さく、高さは10m位、葉も長さ20~35mと本種より短い2回羽状複葉、小葉には粗い欠刻状の重きょ歯がある。
⑦名前の由来:葉の大きいモクゲンジの意である。「モクゲンジ」は、ムクロジの中国名「木患子」を、間違えて本種に当てたため、その日本語読みの「モクカンシ」から転化してモクゲンジとなったという説がある。
小葉表 小葉裏
小葉表拡大 小葉表拡大2
小葉裏拡大
 
 
モクゲンジ(実) モクゲンジ(裂開した実)
モクゲンジ(近影) モクゲンジ(全影) 
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