サクラツツジ(ツツジ科ツツジ属)
①分布等:四国(高知県)、九州(鹿児島県・宮崎県)、沖縄 の川岸や岩場の斜面などに自生する常緑低木。よく分岐し、高さ2~3mになる。日本で唯一の常緑のツツジである。樹皮は赤褐色に灰色が混ざり、まだら模様となる
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-輪生(図13)。
③葉は枝先に集まって3輪生するが、時に対生の葉も混じる。葉身は、長さ 3~8cm、幅 0.5~0.8cmの楕円形~長楕円形。葉柄は0.5~1cm。葉先は尖り先端は腺に終わる。基部は楔形。葉縁は全縁で、褐色の長い毛が散生する。葉は裏側に巻きこむことが多い。
④葉は薄い革質で、表面は濃緑色で光沢があり下面は灰白色で、葉脈が淡緑色でよく見え、はじめ両面に長い褐色の毛があるが、やがて落ちる葉柄には、褐色の毛がある。若い枝は緑褐色で、基部が平たい伏毛があるが、古くなると灰褐色になる。
⑤花期は2~5月。葉の展開後に、枝先に淡桃色の花を2~3個つける。花冠は直径3.5~4cmのロート状で、5深裂し、上側の裂片には紫褐色の斑点がある。雄しべは10個、無毛で花冠よりやや短い。果実は蒴果。長さ1~1.2cm、幅0.3~0.4cmの卵状楕円形で、褐色の平たい毛を密生し、7~8月に熟し裂開する。
⑥類似種:ツツジ科エリカ属の<ジャノメエリカ>は、本種と同じ常緑のツツジで、南アフリカ原産の常緑低木である。高さは2mほどで、多数に枝分かれし、葉は線状で3輪生する。春、ピンク色のつぼ形の花を多数咲かせ、満開になると樹全体が色づいてみえる。雄しべの葯は黒く、それがヘビの目のように目立って見ることから「蛇の目(ジャノメ)と名付けられた。
⑦名前の由来:花の色がサクラに似ていることから。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 裏側に巻き込んだ葉
3輪生の葉 対生の葉
近影
近影2 全影
ジャノメエリカ(花) ジャノメエリカ(近影)
ジャノメエリカ(全影)  
 
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