セコイア(別名:セコイアメスギ、イチイモドキ) (ヒノキ科セコイア属)
①分布等:公園樹などとして稀に植栽。北米西部原産の常緑高木。雌雄同株。幹は直立し、高さ20~40mになる。原産地では90~100mに達し、世界最大の木とされている。樹皮は赤褐色、繊維質で分厚く、縦に深く裂ける。
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-互生-左右2列に葉が着く-葉先が尖る(図35)。
③葉は左右2列に互生し、葉身は 長さ 1~2.5cmの扁平な線状披針形。枝先ほど葉が短くなることが多い。先端は尖り、葉柄はほとんどない。側枝も互生する。
質は柔らかく、先は尖るが、にぎっても痛くはない。表面は濃緑色、裏面は2本の白い気孔帯がある。若い枝は緑色で、2年枝は褐色。
⑤花期は4~5月。雌雄同株。雄球花、雌球花とも枝先につく。種子は球果に包まれる。球果は、長さ1.5~2.5cmの倒卵形で、長い柄があり、10月ごろ黒褐色に熟す。
⑥類似種:「イチイ」に似るが、葉がきれいに2裂に並ぶことで区別できる。
⑦名前由来:1821年頃にチェロキー文字を発明したチェロキー族インディアンの賢人、シクウォイア(セコイア)にちなんで命名されたという。「イチイモドキ」は葉の形がイチイに似ていることから。「セコイアメスギ」は、「セコイアオスギ Sequoiadendron giganteum」に対比した。
⑧セコイアには、本種と<セコイアオスギ(セコイアデンドロン)>の2つがあるが、日本ではセコイアというと本種を指す。セコイアオスギはヒノキ科セコイアデンドロン属に属し本種とは全く異なる。葉も本種が羽状複葉であるに対し、セコイアオスギは、スギと同じような針状葉であり、小枝に3列になってらせん状に着生する。セコイアの2種は、ともにアメリカ西海岸の多雨地帯に生育し、アメリカでは、セコイアメスギをレッドウッド(RedwoodまたはCoast・Redwood)、セコイアオスギをセコイアまたはジャイアントセコイア(Giant・Sequoia)と呼んでり、紛らわしい。両種とも世界最大の木とされており、高さでは樹高が80~110mになるセコイアメスギ、体積では、樹高は60~80mで、根元直径が10mを越えるものがあるセコイアオスギが最大とされている。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
雄花 雌花
裂開した球果 裂開した球果
近影
全影
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