シロバナネム(マメ科ベニゴウカン属)
①分布等:暖地で庭木等として植栽。中央アメリカ原産の常緑低木。高さ2~3mになる。樹皮は淡緑色。
②分類:広葉樹(直立性)-複葉-2・3回羽状複葉(図9)。
③葉は2回偶数羽状複葉で互生する。長さ7~10cm、幅 1~1.5cmの狭楕円形。4~6対の羽片がほぼ対生し、幅 各羽片に30対以上の小葉がつく。小葉身は 長さは 2~4mm、幅 約1mmの狭長楕円形。小葉柄は無し。小葉の先端は鈍く尖り、基部は円形で、左右不対象。縁は全縁で軟毛密生する暗くなると葉が垂れ下がり、小葉も閉じる(就眠運動という。)。羽片や小葉のつけ根に「葉枕」という脹らみがあり、この働きで就眠運動が機能する。枝はジグザグに屈曲する。
④小葉の表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、両面と淡緑色の軟毛が密生する羽軸と葉軸には淡褐色の開出毛が密生する。若い枝は緑色~赤褐色で淡褐色の開出毛が密生する。
⑤花期は6~7月。枝先に集散花序をだし、直径約5cmの頭状花序を付ける。花は多数の雄しべの集合体で白色。夜に開き、翌日の朝には凋み、やがて落ちる。
⑥類似種:本種は、葉も花も、花が白いネムノキ<シロバナネムノキ>に似ており、「シロバナネムノキ」の名前で流通しているので混同し易い。このため本図鑑では、本種を「シロバナネム」と呼称することとした。
学名は、シロバナネム:Calliandra portoricensis (Jacq.) Benth.
    シロバナネムノキ:Albizia julibrissin Durazz. f. albifloraである。
両者は同じマメ科に属するが、属が異なり全く異なる樹種である。最大の違いは、木や葉の大きさであり、シロバナネムは低木で高さ2~3mに対し、シロバナネムノキは小高木~高木で高さ5~15mになる点、葉の大きさも、シロバナネムは7~10cmに対し、シロバナネムノキは20~30cmである点。明らかに違うので、注意してみれば混同することはない。
⑦名前の由来:夜の就眠作用による。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大
花(昼) 花(夜)
近影 全影
inserted by FC2 system