ソケイ(別名:コモンジャスミン) (モクセイ科ソケイ属)
①分布等:鑑賞用として植栽。中国南部・インド原産のつる性常緑樹。枝は軟弱で、他の木などに寄りかかってのび、長さ2~3mになる。
②分類:広葉樹(つる性)-複葉(図1)
③葉は、長さ7~10cmの1回奇数羽状複葉のつるで対生する。小葉は2~4対。葉柄は0.5~4cm。葉身は 長さ1~4cm、幅1~2cmの卵状楕円形~卵状(頂小葉は菱形状楕円形)で、上端の3~5小葉は癒着する場合が多い。小葉柄は頂小葉を除き、無柄か0.2~0.5cm。小葉の先は鈍く尖り中央部に微突起がある。基部は広い楔形または浅い心臓形。葉縁は全縁で、ざらつき、大きく波ち、3行脈が目立つ
④葉は薄い草質で、表面は緑色、裏面は淡緑色で、両面とも無毛。 葉柄及び葉軸は緑色で上面には溝がある。
⑤花期は6~11月。枝先または葉腋から集散花序をだし数個の白い花をつける。花柄は長さ0.5~2.5cm。花冠は高坏状で、直径2~2.5cm。花筒は長さ約2cmの細長い筒状で、先端は5裂し平開する。花にはむせかえるような芳香がある。萼片は針形で5個あり花筒より短い。雄しべ2個と雌しべ1個がある。果実は液果。楕円形で黒熟する。
⑥類似種:同属の「ハゴロモジャスミン」は、1回奇数羽状複葉のつるで対生する点で似ているが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前の由来:漢名の「素馨花」の「素馨」を音読みしたもの。「素馨」は、香りがよい「馨」白い花「素」という意に由来するという説や、古代中国の「素馨」という名の美しい侍女を葬った場所に咲き、いつまでもよい香りがしたという伝説に由来するという説 などがある。別名のコモンジャスミンは本種の英名である。<ジャスミン>は、モクセイ科ソケイ属(世界で約300種ある)の総称であるが、ふつうにジャスミンというときは本種を指すとされている。
⑧花はジャスミン油を含み香油や香水、お茶の原料として利用されている。香水に利用されるのは花径が3.5cmと大きい品種<オオバナソケイ>で、また、ジャスミンティーとして利用されるのは品種<マツリカ>である。
葉(小葉の癒着がないもの) 葉(小葉の癒着があるもの)
小葉表 小葉裏
小葉表拡大 小葉表拡大2
小葉裏拡大
近影
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