トサシモツケ(バラ科シモツケ属)
①分布等:四国(高知県・徳島県)の日当たりのよい川岸の岩場などに自生する落葉低木。日本固有種。イワシモツケの変種で、幹は株立ちし高さ1~2mになる。古くなると樹皮は縦に裂けて落ち灰黒色となる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-葉は不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は明瞭-落葉性(図24)。
③葉は互生し、葉身は長さ 1.5~5cm、幅 0.3~0.7cmの倒披針形。葉柄は0.2~0.5cm。葉先は鈍く尖り、基部は葉柄に流れる。葉縁は全縁または先端部分に鈍いきょ歯がでる。側脈は4~6対。
④質は薄い洋紙質。表面は緑色、裏面は粉白色で、両面とも無毛、裏面では、淡緑色の葉脈が細脈まで見える。若い枝は赤褐色で無毛、稜がある。
⑤花期は5月。両性花。本年枝の先に直径2~3cmの散房花序をだし、直径約0.7cmの白い花を固まって多数上向きにつける。花弁と萼片は各5個。雄しべは20個。果実は袋果が5個集まった集合果。長さ0.3cmで直立し、7~8月に熟す。
⑥類似種:本種の母種である<イワシモツケ>は、本州の近畿地方以北の標高の高い山の蛇紋岩地や石灰岩地に自生する落葉低木で、本種より葉幅が広く円形に近い。
⑦名前の由来:土佐産のシモツケの意である。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 きょ歯のある葉
花序
若い果序 近影
近影2 近影3
全影 イワシモツケ(花) 
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