トウフジウツギ(ゴマノハグサ科フジウツギ属) (別名:リュウキュウフジウツギ、シマフジウツギ)
①分布等:庭木などとして植栽。中国原産の落葉低木。沖縄では野生化。高さ1~1.5mになる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-落葉性(図15)。
③葉は対生であるが、枝の上部ではしばしば互生となる。葉身は 長さ 5~10cm、幅 1.5~3.5cmの楕円形~披針状楕円形。葉柄は0.1~0.7cm。葉先は次第に細くなり鋭く尖り、基部は広い楔形。葉縁は全縁(稀に数個歯牙がある)。葉脈は表面で凹み、裏面で著しく隆起し目立つ
④質は革質でやや柔らかく、表面は濃緑色で無毛、裏面は白味を帯びた淡緑色で細脈までよく見え、はじめ微小なさび色の短毛と星状毛、腺毛が密にあるが、のちほとんど無毛となる。若い枝は4稜があり、淡褐色で微小なさび色の星状毛が密生する。葉の基部の節上に半円形の托葉状の付属体はない。
⑤花期は5~9月。新枝の枝先または下部の葉腋から、長さ4~20cm、幅 2~4cmの穂状の円錐花序を伸ばし、多数の花を1方に偏ってつける。花冠は赤紫色、直径0.25~0.4cm、長さ1.3~2cmの筒形で中間より下部は曲がり、先端はやや太くなって4裂する。萼は長さ約0.15cmの鐘形で、萼片は広三角形。果実は蒴果。長さ約0.4cmの楕円形で先端は短く尖り、翌年の4月に熟す。
⑥類似種:同属の<フジウツギ>に似るが、フジウツギは、葉の長さが本種の2倍ほど大きいこと、葉の基部の節上に半円形の托葉状の付属体があること、枝に翼状の4稜があること、で区別できる。
⑦名前の由来:「唐フジウツギ」の意で、中國原産のフジウツギである。「フジウツギ」は「藤空木」の意で、花序の様子や色が藤に似ていることから。 「リュウキュウフジウツギ」は沖縄にも自生していることから。
本種は、旧分類では「フジウツギ科」とされていた
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 枝(節に托葉状の付属体はない)
近影
全影  
 
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