①分布等：本州（宮城県、富山県以西）、四国、九州 の山地に自生する常緑高木。雌雄同株。幹は直立し、高さ15～20ｍになる。樹皮は灰黒緑色で、縦に割れ目が入る。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は葉身の上半部にある（図28）。 ③葉は枝先に集まって輪生状に互生する。葉身は 長さ 5～10ｃｍ、幅 3～4ｃｍ の長楕円状倒披針形。葉柄は 0.4～1.2ｃｍ。側脈は5～12対。先端は急に細くなって鋭く尖り、基部は楔形で葉柄に流れる。葉縁は葉身の先端部に数個の低いきょ歯があるが、全縁のものもあり、やや外側に反る。主脈は表面で凹み裏面に隆起する。 ④葉は革質。表面は濃緑色で光沢があり、はじめ軟毛があるが、のち無毛。裏面は黄緑色で、はじめ星状毛を密生するが、のち無毛。若い枝は茶褐色で稜があり、はじめ白色の毛が密生するが、すぐに無毛となる。  ⑤花期は4～5月。雌雄同株。新葉の展開とともに開花し、雄花序は長さ6～7ｃｍで、新枝の下部の葉腋から下垂し多数の雄花をつける。雄花は、花被が直径約0.３ｃｍで、雄しべは5個。雌花序は緑色で、新枝の上部の葉腋に3～4個直立してつけ、花柱は3個。果実は堅果。長さ約1.5ｃｍの卵球体で、、翌年の秋に黒褐色に熟す。穀斗はお椀形で8～9段の輪があり、淡褐色の微毛が密生する。 ⑥類似種：イチイガシ、アカガシ、ウバメガシは、ブナ科常緑樹の中で、葉裏色が淡緑色や黄褐色などで、金属的な光沢を帯びず、白味も帯びない点で似ているが、見分け方は、「ブナ科（常緑樹）検索表」及び「類似種の見分け方」参照。本種とアカガシの雑種を＜オオツクバネガシ＞といい、両者の中間的な形態を示し、西日本で多く見られる。 ⑥名前の由来：枝先の輪生状に並ぶ葉が羽根突きの羽根（衝羽根）に似ていることから。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	枝
実	近影
近影２