①分布等：北海道、本州（中部地方以北） の山地に自生する落葉高木。幹は直立し、高さ7～17ｍになる。樹皮は灰褐色または灰白色で、厚く、鱗片状に幾重にも剥がれ落ちる、 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達する-落葉性（図29）。 ③葉は長枝で互生し、短枝では1対つく。葉身は 長さ 4～8ｃｍ、幅 3～6ｃｍの卵形。葉柄は0.5～1.5cm。葉先は鋭く尖り、基部は円形または広い楔形。縁には不揃いなきょ歯がある。側脈は6～8対。 ④葉の表面は緑色で脈上に長い毛があり、裏面は黄緑色で、腺点が密生し、脈上に長い毛があり、脈腋には毛のかたまりがある。葉柄は赤味を帯び、軟毛と腺点がある。若い枝は赤褐色で、腺点と皮目が多く、はじめ多少長軟毛があるが、のち無毛となる。 ⑤花期は4～5月。雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は、長枝の先に、2～3個下垂して付く。雄花には雄しべ2個り、花糸は短く先端は２裂する。雌花序は短枝に直立する。果実は堅果の集合した果穂。果穂は長さ1.5～２ｃｍ、直径１ｃｍのの卵状楕円形、燐片は光沢があり、先端は３浅裂し、9～10月に熟す。 ⑥名前の由来：「八重皮カンバ」の意で、樹皮が幾重にも剥がれるカンバである。別名の「コオノオレ」は＜オノオレカンバ＞に似て、葉が小さいことから。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	葉裏拡大２
短枝の葉	枝
若い果穂	近影
幹