①分布等:各地に庭園樹、街路樹として植栽。北米東部原産の落葉高木。わが国には明治初年に渡来。幹は直立し、分岐し、高さ20~30mになる。樹皮は灰褐色で縦に浅く裂ける。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-分裂葉-互生-きょ歯なし(図11)。 ③葉は互生し、葉身は 長さ10~15cm、幅6~8cmで、特異な切れ込みで4~6裂し「半纏(はんてん)」を広げたような形となる。葉柄は長く8~18cm。 ④葉質は 薄くて硬い。表面は薄緑色で光沢があり無毛。裏面は灰白緑色で脈上に毛がある。葉柄は緑色で、赤味を帯びることもある。 ⑤花期は5~6月。枝の先端に直径5~6cmのチューリップに似た鐘形の花をつける。花被片は9個で、外側の3個は緑白色の萼状で、ほぼ水平に広がる。内側の6個は黄緑色の花弁状で、基部に橙色の斑紋が入る。雌しべが円錐形に集合し、その周囲に多数の線形の雄しべが取り囲む。果実は翼果が集まった集合果。長さ約3cmの「へら形」で、上向きにつき多数が集まってローソクの炎のような形となる。10月ごろ褐色に熟し、少しの振動を与えても、翼果が一斉に放出され落下する。この場合も、最も外側の翼果はコップ状に残ることが多い。 ⑥名前由来:学名「Liriodendron tulipifera L.」の属名「Liriodendron」を直訳したもの。ギリシャ語で「ユリ」を意味する「lerion」と「木」を意味する「dendron」から命名した。別名の「ハンテンボク」は葉の形が「半纏(はんてん)」に似ていることから。 |
葉表 | 葉裏 |
葉裏拡大 | 花 |
実 | 実(コップ状に残った翼果) |
近影 | 近影2 |
全影 | 幹 |