①分布等：北海道、本州、四国、九州 の山地に自生する落葉低木。幹ははじめ直立し、のち枝がつる状に伸び高さ1～2ｍになる。 ②分類：広葉樹（直立性）-複葉-３出・掌状複葉-落葉性（図5）。 ③葉は長さは10～20ｃｍの３出複葉で互生する。小葉は1対であるが、稀に小葉2対の奇数羽状複葉となる。葉柄は3～5ｃｍ。頂小葉は、側小葉より大きく、長さ 5～8ｃｍ、幅 4～6ｃｍの卵円形。先端は短く急に鋭く尖り、基部は円形または浅い心臓形。葉縁には欠刻状の重きょ歯があり、ときに３浅裂する。きょ歯の先端は赤色の腺に終わる。 ④小葉の表面は淡緑色で毛が散生し、裏面は雪白色で、白い綿毛が毛布状に密生する。葉軸、葉柄、若い枝は赤褐色で、赤褐色の腺毛が密生し、長さ0.4～0.8ｃｍの棘が散生する。 ⑤花期は5～6月。枝先に円錐花序をだし、淡紅紫色の花を数個集まってつける。花弁と萼片は各5個。花弁は直立し、萼の外面には腺毛が密生する。果実は集合果（キイチゴ状果）。直径約1.5ｃｍの球形で、8月に紅色から黒紫色に熟す。 ⑥類似種：本種と「ナワシロイチゴ」、「キビノナワシロイチゴ」、「クロイチゴ」は、ともにバラ科キイチゴ属に属し、落葉性の３出複葉で葉裏が白色～灰色であるという点でよく似ているが、見分け方は「キイチゴ属の検索表」および「類似種の見分け方」を参照。 ⑦名前の由来：枝や葉柄などに赤褐色の腺毛がおおいところをエビの殻に見立てたもの。別名のウラジロイチゴは葉の裏が白いことから。

葉表	葉裏
小葉表拡大	小葉裏拡大
枝	蕾と花