ヒカゲツツジ(別名:サワテラシ) (ツツジ科ツツジ属)
①分布等:本州(関東以西)、四国、九州 の山地に自生する常緑低木。よく分岐し、高さ1~2mになる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面に毛がある-常緑性(図20)。
③葉は互生し、枝先に輪生状に集まってつく。葉身は 長さ 4~7cm、幅 1~2cmの披針形~長楕円形。葉柄は短く0.2~0.4cmで、一見、葉柄がないように見える。葉縁は全縁で裏側に巻き込むことが多い。葉先には腺状突起があって鋭く尖り、基部は円形~楔形。
④葉質は薄い革質。表面は濃緑色ではじめ腺状鱗片があるが、のち脱落。裏面は淡黄緑色で黄褐色の腺状鱗片が密生する。若い枝には腺状鱗片と長毛があるが、のち脱落。
⑤花期は4~5月。前年枝の先端に淡黄色の花を2~6個つける。花冠は直径3~4cmのロート状鐘形で先端は5裂し平開する。果実は蒴果。長さ0.8~1.3cm、幅 0.2~0.35cmの円柱形で、腺状鱗片が密生し、9~10月に熟す。
⑥類似種:<ウラジロヒカゲツツジ>は、葉の裏面に腺状鱗片が密生して粉白色となるもので、関東地方の山地に稀に自生する。また、屋久島や霧島山には、地面に這って枝を伸ばす<ハイヒカゲツツジ>があり、屋久島では特別天然記念物に指定されている。
⑦名前の由来:「ヒカゲツツジ」は、崖や岩場の日陰に生えることから。しかし、生育地は日陰だけとは限らない。別名の「サワテラシ」は「沢照らし」の意で、花の淡い黄色 が暗い渓谷などで明るく映えることから。
葉表 葉裏
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近影  
 
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