①分布等：本州（神奈川県以西）、四国、九州 の山地に自生する落葉高木。日本固有種。幹は単幹、双幹、または、株立ち状となり、高さ10～15ｍになる。樹皮は淡赤褐色で平滑、光沢があり、薄片状に剥がれ、斑紋ができる。木肌が美しいので目立つ。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は葉身の全体にある-落葉性（図31）。 ③葉は互生で、葉身は 長さ 5～8ｃｍ、幅 2～4ｃｍ の長楕円形～楕円形。葉柄は0.7～1.5ｃｍ。先端は尾状に伸びて鋭く尖り、基部は狭い楔形。縁には先端が細く尖る浅いきょ歯と細かい毛がある。 ④葉は洋皮質。表面は緑色で毛が散生する、か無毛、裏面は灰緑色で光沢があり、葉脈上に細かい毛があり、葉腋には毛が集まる。本年枝は褐色～赤褐色で、はじめ毛があるが、のち無毛。 ⑤花期は5月。本年枝の基部に直径1.5～２ｃｍの白い花を下向きに1個つける。花弁と萼片は各5個。果実は蒴果。直径約1cmの円錐状卵形で５稜があり、先端は尖る。９～１０月に暗褐色に熟し、５裂する。 ⑥類似種：同属のナツツバキに似るが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：「姫沙羅」の意で、ナツツバキを誤って「沙羅樹」と呼び、本種はこの樹に似ていて小さいことから。別名のコナツツバキは「小夏椿」の意で、 シャラノキの別名のナツツバキ（夏椿）より花が小さいことから。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	花
花２	若い実
種子をだし終えた実	近影
近影２	全影
幹