イチョウ(イチョウ科イチョウ属)
①分布等:全国各地で公園・庭園・街路樹に植栽。中国原産の落葉高木。雌雄異株。幹は直立し、高さ 30~45mになる。樹皮は灰色~灰褐色で、縦に粗く裂ける。老樹では、「乳」と呼ばれる一種の気根がしばしばみられる。
②分類:針葉樹-特殊葉(図40)。(分類上は針葉樹ではないが、本図鑑では、便宜上針葉樹に含めた。)
③葉は長枝ではらせん状に互生し、短枝では束生する。葉身の長さ 4~8cm、幅 4~7cmの扇形。葉柄は4~6cm。葉縁は不揃いな波状のきょ歯があり、中央部が凹状に切れ込むものもある。基部は楔形で葉柄に流れる。葉脈は二又分岐を繰り返して平行に伸び、葉縁に達するが、主脈はない
④葉は薄い革質。表裏両面とも明るい緑色で無毛。 
⑤花期は4~5月。雌雄異株。葉の展開前に、雄花、雌花とも短枝の先に束生する。雄花は淡黄緑色で長さ約2cmの円柱形。多数の雄しべがある。雌花は緑色で、長さ2~3cmの花柄の先に2個の胚珠をつける。種子は種子果。銀杏と呼ばれ、直径2cmほどの球形で、10~11月に黄色に熟す。この実の外種皮は悪臭を放つが、これを除いた種子は美味である。
⑥類似種:<オハツキイチョウ>は、イチョウの変種で、葉柄がやや長く、葉の上に果実をならせる。
⑦名前の由来:中国語で、葉の形をアヒルの足に見立てて 「鴨脚」と書き、「イアチァオ」と発音したのが、転じたとする説があるが、定かではない。
⑧秋の黄葉は美しい。実が悪臭を放つ・掃除が大変だという理由から、街路樹のイチョウは実がならない雄株のみを使用する場合が多い。
葉表 葉裏
葉裏拡大 雄花
雌花 若い種子
種子(黄色の外種皮に包まれる) 近影
全影 全影2
落葉の絨毯
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