ケアクシバ(ツツジ科スノキ属)
①分布等:本州(中部地方の西南部以西)、四国、九州 の山地に自生する落葉低木。林床に這うように生育し、高さ0.3~1mとなる。まばらに分岐し、枝は水平に広がる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は葉身の全体にある-落葉性(図31)。
③葉は互生し、葉身は、長さ1.5~6cm、幅 1.5~3cm の楕円形~卵状楕円形。葉柄はほとんどない。先端は長く伸びて鋭く尖り、基部は円形または浅い心臓形。縁には、先端が腺になる細かいきょ歯がある。
質は紙質。葉の表面は淡緑色で葉脈上に細毛が散生する。裏面は灰白緑色で網の目のような脈がよく見え、葉脈上に白い開出毛がある若い枝は扁平で緑色、浅い溝が2本あり、溝には短毛と腺毛が生える。
⑤花期は7~8月。葉腋から腺毛のある細い花柄をのばし、淡紅色の花を1個下垂してつける。花冠は4深裂し、裂片はクルリと反り返る。雄しべは褐色で花冠から突き出し、その先に白い棒状の雌しべの花柱が突き出る。果実は液果。直径約0.3cmの球形で、8~10月に先端に萼片を残して赤く熟す。薄甘く生食できる。
⑥類似種:「スノキ」、「ウスノキ」に似るが、これらは枝が丸く本種のような扁平でないことで区別できる。
⑦名前の由来:「毛のあるアクシバ」の意で、「アクシバ」は、燃やした灰で灰汁で灰汁(あく)抜きに使ったことから「灰汁柴(あくしば)」となった、枝が緑なので「青木柴(あおきしば)」がなまったなどのいくつかの説がある。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大
近影  
 
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