①分布等：本州（長野・富山県以西）の日本海側の露岩上や蛇紋岩地、石灰岩地などに多く自生する落葉小高木。高さ5～7ｍになる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-重きょ歯-側脈は葉縁に達しない（図26）。 ③葉は互生し、葉身は、長さ 5～6cm、幅 2～5cmの倒卵形。葉柄は 0.6～0.8cm。先端は尾状に長く伸びて尖り、基部は円形～楔形。葉縁には欠刻状の重きょ歯がある。葉柄の上端か葉身の基部に蜜腺がある。 ④葉の表面は濃緑色、裏面は淡緑色で、両面とも伏した毛を散生する。葉柄には斜上する毛が密生する。若い枝は無毛。 ⑤花期は4～5月。葉の展開前または展開と同時に咲く。花柄は長さ0.7～1.2ｃｍ。花は白色または淡紅色で、直径は1.5～2cm。下向きにつく。花弁と萼片は5個。萼筒は細長く、長さ0.7～1ｃｍの鐘形で帯紅色。萼片は長さ0.3～0.5ｃｍの披針形、全縁で縁に毛がある。果実は核果。直径約0.7ｃｍの球形で6月ごろ黒く熟す。八重咲きの品種もあり＜ヤエノキンキマメザクラ＞という。 ⑥類似種：蜜腺が葉身の基部または葉柄の上部にできるか、あるいは蜜腺が不明ということで、「エドヒガン」、「ソメイヨシノ」、「チョウジザクラ」に似るが、見分け方は「サクラ類の検索表」および「類似種の見分け方」参照 ⑦名前の由来：近畿地方に生育する小型のサクラの意味。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	花
近影	全影
幹