①分布等：庭園や公園、寺社境内など、日本各地 で植栽。中国大陸南部原産の半常緑性の小低木。幹は、株立ちし多数に分岐し、枝の先端は垂れ下がる。高さ0.5～1mになる。近年、公園などによく植栽されているが、正確には、Hypericum patulum cv. Hidcote（ピペリカム・ヒドコート）などの園芸品種であることがおおい。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-落葉性（図15）。 ③葉は対生し、2列に水平につく。葉身は 長さ 2～4cmの卵状長楕円形。葉柄はない。全縁で、先端は鈍く尖り、基部は円形または広い楔形。 ④葉質はやや薄く、葉の表面は緑色、裏面は白緑色で、両面とも無毛。葉脈はあまり見えない。葉には透明な腺点が点在し、光に透かして見ると確認できる。枝は赤味を帯びた褐色で無毛。 ⑤花期は６～７月。枝先に集散花序をだし、直径3～4ｃｍの黄色の花をつける。雄しべは約60本づつ、５つの束となる。花弁は5個でカップ状に内側に半開きし、雄じべは花弁より短い。果実は蒴果。長さ約1ｃｍの長卵形で、秋に萼と花柱をつけて褐色に熟し、5個に裂開して多数の種子をだす。 ⑥類似種：同じオトギリソウ属の「ヒペリクム・ヒドコート」、「セイヨウキンシバイ」、「ビヨウヤナギ」に似ているが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。 ⑤名前の由来：「金糸梅」の意であり、5弁の花弁から梅に似ていて金色であることから。

葉表	葉裏
葉裏拡大	花;
近影	全影
若い実