①分布等：本州（静岡県以西）、四国、九州（北部）の山地に自生する落葉低木。幹はよく分岐し、高さ 1～3ｍになる。枝は車輪状にでる。樹皮は黒褐色。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-輪生（図13）。 ③葉は枝先に集まって３輪生する。葉身は 長さ3～5ｃｍ、幅2～5ｃｍ広卵形～菱形状卵形で、葉の中央部から少し下が最も幅が広い。葉柄は0.3～0.5cm。葉の縁は波状となり全縁。先端は短く尖り、中央に腺状突起がある。基部は楔形。 ④葉質は硬い膜質。表面は濃緑色で腺点が散生し無毛。裏面は灰緑色で細かい網目まで見え、網目の間は白味を帯びる。脈上と葉柄に褐色の粗い伏毛がやや密にある。若い枝は赤褐色で、はじめ淡褐色の粗い毛が密生するが、のち無毛。 ⑤花期は３月下旬～４月。葉の展開前か同時に、枝先に紅紫色または淡紅色の花を１～3個つける。花冠は直径3～4.5ｃｍのロート状で、縁はやや深く5裂する。雄しべは10個あり、長さが著しく不同。果実は蒴果。長さ0.8～1.4ｃｍのやや曲がった円筒形で、粗い毛がある。8～9月に褐色に熟し裂開する。 ⑥類似種：花が白いものがあり＜シロバナコバノミツバツツジ＞という。ミツバツツジ、ダイセンミツバツツジ、ユキグニミツバツツジに似るが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：「小型の三つ葉ツツジ」の意で、ミツバツツジより葉が小さいことに由来する。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	枝
花	実
全影	シロバナコバノミツバツツジの花