ミヤマハンノキ(カバノキ科ハンノキ属)
①分布等:北海道、本州(白山以北、大山) の山地に自生する落葉低木~小高木(本州では亜高山帯~高山帯、北海道では平地から)。雌雄同種。普通、高さ5~8mになる。高山の環境の厳しいところでは、下部から多数分岐し、高さ1~1.5mのブッシュ状となる。樹皮は暗灰色で、ざらつき、楕円形~円形の皮目が多い。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-重きょ歯-側脈は葉縁に達する(図25)。
③葉は長枝に互生し、短枝に2~3本が束生する。葉身は、長さ 5~10cm、幅 4~9cmの広卵形。葉柄は2~3.5cm。先端は鋭く尖り、基部はまるい。縁には細かく突出する重きょ歯がある。側脈は8~12対で、表面で凹み裏面に隆起する。
④葉質はやや厚く、葉の表面はなめらかで艶があり、濃緑色で無毛。裏面は淡黄緑色で、葉脈に沿って長い毛が散生し、脈腋に褐色の毛のかたまりがある。若い葉は裏面に腺点があり粘液が出て粘る。枝は暗灰褐色で3稜があり、ほとんど無毛、楕円形の皮目が目立つ
⑤花期は5~7月。雌雄同株。新枝の展開と同時に開く。雄花序は長さ4~5cmで枝の先端に2~3個下垂する。花被は5深裂し、雄しべは5個。雌花序は1~1.5cmで、雄花序の下部の葉腋から短い柄をだし、2~5個直立してつく。果実は堅果の集合した果穂。果穂は長さ1~1.5cmの楕円形で、斜上してつき、10~11月に熟す。
⑥類似種:カバノキ科ハンノキ属で、重きょ歯を持つ「ケヤマハンノキ」に似るが、ケヤマハンノキの重きょ歯は欠刻状で大きく容易に区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前の由来:深山に生えるハンノキの意。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
若い果穂 近影
近影2  
 
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