①分布等:本州(広島県東部から兵庫県西部)の低地に稀に自生する落葉低木。日本固有種。高さ3~5mになる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面に毛か鱗片がある-落葉性(図21)。 ③葉は互生し、葉身は 長さ 4~12cm、幅 3~6cmの倒卵状長楕円形。葉柄は0.5~0.8cm。先端は鈍く尖り、基部は円形または楔形。葉縁は全縁で細かく波打つ。葉脈は表面で凹み裏面で隆起する。 ④葉の質はやや薄く、表面は緑色で淡黄褐色の星状毛が密生する。裏面は淡緑色で、銀色の星状毛が密生し、赤褐色の星状毛が混じる。葉柄と若い枝は淡赤褐色の星状毛が密生する。 ⑤花期は4~5月。葉腋に淡黄白色の花を1~3個束生する。花柄は太くて短く、長さ0.4~0.45cm。萼筒は長さ0.8~1cmで、先端は4裂する。花柄・萼筒には星状毛が密生する。果実は、萼筒の基部がくびれて子房を包み液果状に肥大する偽果。長さ1~1.5cmで先がすぼまる偏球形で、上向きにつき、6月に赤く熟す。 ⑥類似種:落葉性のグミとして、「アキグミ」、「トウグミ」、「マメグミ」 に似るが、見分け方は「グミ科の検索表」および「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来:「夏朝取」の意。岡山県や山口県の方言で、アキグミのことを「朝取(あさどり)」といい、夏に実が熟すことから。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉表拡大2 | |
葉裏拡大 | 葉裏拡大2 | |
枝 | 花 | |
近影 | 近影2 | |
幹 | ||