センリョウ(センリョウ科センリョウ属)
①分布等:本州(関東南部以西、東海・近畿の南部)、四国、九州、沖縄 の山地に自生する常緑低木。幹は株立ちし、緑色の枝が群生し、高さ0.5~1mになる。節が膨らむのが特徴。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-常緑性(図16)。
③葉は十字対生し、葉身は 長さ 6~15cm、幅 3~6cm の長楕円形。葉柄は 1~2cm。先端は尖り基部は楔形。葉縁には、尖った粗いきょ歯がある。
葉質は革質。葉の表面は黄緑色で光沢があり、裏面は淡黄緑色で、両面とも無毛。枝は緑色で葉の落ちた痕が膨らむ節となる。向かい合う葉柄はつながる。
⑤花期は6~7月。両性。枝先に穂状花序をだし、黄緑色の小さい花を多数つける。花は無柄で、花弁や萼がなく、花軸につく緑色の玉が雌しべで、それから横に薄緑色の雄しべが飛び出す。果実は、直径0.5~0.7cmの球形で、葉の上側に穂状につき、12月ごろ朱赤色に熟す。
⑥類似種:「マンリョウ」に似るが、マンリョウはきょ歯が波型、また、マンリョウの実は下向きにつくのに対し、本種の実は上向きに付くことで、区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。実が黄色の園芸品種は<キミノセンリョウ>と呼ばれる。
⑦名前の由来:ヤブコウジ科のマンリョウ(万両)に対してセンリョウ(千両)と名付けた。マンリョウ(万両)の実は垂れ下がるので重く、センリョウ(千両)は上向きにつき軽いからとか、マンリョウ(万両)は実がセンリョウ(千両)の実に対し、やや大きいことからとか、諸説がある。
⑧「十両(ヤブコウジ)」、「百両(カラタチバナ)」、「万両(マンリョウ)」とともに縁起のいい木として好まれ、正月用の飾りとして用いられる。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
花序 花(緑の玉が雌しべ、横につく雄しべ)
近影
全影 キミノセンリョウ
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