①分布等：北海道南部以西の日本各地で植栽。中国大陸東部原産の落葉高木。雌雄同株。幹は直立し、分岐し、高さ10～20ｍになる。樹皮は灰褐色で、平滑。成木では縦に短冊状に剥がれるのが特徴で、落葉期でも樹種を判別できる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-分裂葉-対生（図10）。 ③葉は対生で、葉身は 長さ 3～8ｃｍ、幅 3～7ｃｍの倒卵形。葉柄は2～5ｃｍ。浅く３分裂し、裂片は三角形で先端は尖る。葉の基部は円形または心臓形で、基部からでる３行脈が目立つ。成木では全縁であるが幼木では縁に大きなきょ歯がでる。 ④葉の表面は濃緑色で光沢があり、裏面は青緑色でやや白味を帯びる。両面とも無毛か、裏面の脈上にわずかに毛がある。葉柄ははじめは軟毛がある。若枝には白色の軟毛がある。 ⑤花期は4～5月。雌雄同株。長さ2～3ｃｍの1つの散房花序に雄花と両性花が混生する。果実は翼果。分果は長さ2～2.5ｃｍで、平行または鋭角に開き、10月に褐色に熟す。 ⑥類似種：葉が3分裂する点で、フウ科フウ属の「フウ」に似るが、フウは葉が互生であるので見分けるのは簡単である。詳細は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前由来：「唐カエデ」の意で、昔、唐から入ってきたことによる。 ⑧成長が速く、潮風や大気汚染にも強く、紅葉（または黄葉）が美しいので、街路樹、公園樹などによく植栽される。 ※本種は、旧分類では「カエデ科」とされていた。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉裏拡大
花序	花序２（両性花の2裂した花柱が目立つ）
実	近影
近影１	近影２（紅葉）
近影３（紅葉）	全影(トウカエデ)の並木
成木の幹