①分布等：北海道、本州（東北地方、中部地方以西の日本海側）、四国、九州 の積雪地に自生する常緑小低木。雌雄異株。ミヤマシキミが多雪地帯に適応した品種。幹の基部が地上を這い、斜上して高さ30～50ｃｍになる。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面に毛がない-側脈は不明瞭（図22）。 ③葉は枝先に集まって輪生状に互生し、年ごとに段をつくる。葉身は、長さ 4～6cm、幅 1～2.5cmの長楕円形。葉柄は0.5～1cm。葉先は鈍く尖るか、浅くへこみ、基部は楔形で葉柄に流れる。葉縁は全縁または先端部分にわずかに低い鈍きょ歯がでる。裏面に反り、若干波打っていることが多い。 ④葉はしなやなか革質。表面は濃緑色で光沢があり、裏面はやや緑白色を帯び、透明な油点が多数ある。葉柄はしばしば紅紫色を帯びる。葉を傷つけると一種の芳香がある。若い枝は緑色。 ⑤花期は４～5月。雌雄異株。枝先に散房状の円錐花序をだし、白色または淡紅色の花をつける。花弁と萼片は4個。雄花の雄しべは4個で花弁より長く突出する。雌花では雌しべが1個と退化した雄しべがあり、子房は球形、柱頭は平たく、浅く4裂する。萼や花柄、花序の軸などは赤紫色。果実は核果。直径0.5～0.8ｃｍの球形で12～2月に赤く熟す。 ⑥類似種：「シキミ」、「ミヤマシキミ」に似るが、見分け方は「類似種の見分け方」参照。 ⑦名前の由来：つる性のミヤマシキミの意。 ⑧葉に有毒物質のアルカロイドを含むがその毒性は弱い。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大２
葉裏拡大	葉裏拡大２
雄花序	雌花序
実	近影
近影２	近影３